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 1995年以降に起きた殺人や強盗殺人で未解決のままの事件は少なくとも369件――。刑事訴訟法が2010年4月27日に改正、即日施行され、殺人など最も重い量刑が死刑に当たる事件の時効が廃止された。この日から、時効を迎えていなかった1995年4月28日以降に発生した事件について、捜査に「時間の制限」がなくなった。未解決事件の全体像に迫った。

 朝日新聞は2023年までに発生し、各都道府県警の刑事部長を長とする捜査本部が設置された殺人や強盗殺人事件を対象に取材した。25年6月までに各警察から事件概要などを得られた未解決殺人事件は、1995年4月28日~2023年に設置された捜査本部2520件のうち364件だった。このほか、刑事部長以外を長とする捜査本部などの未解決事件を少なくとも5件確認した。

 捜査本部の設置数は00年代まで年間100件台にのぼっていた。10年代には50件前後となり、21年以降は20件台で推移。そのうち未解決事件も01年の32件をピークに減少し、14年以降は0~5件だ。

  • 【地図で見る】全国の未解決殺人事件

 捜査本部を置く事件そのものが減るとともに、未解決になるものも大きく減っている。初動捜査で容疑者が判明し、そもそも捜査本部を立てない事件も多い。

 警視庁は13年以降、大阪府警では15年以降に発生した事件で未解決がない。こうした状況について、警察庁は「街中での防犯カメラの増加や、DNA型鑑定などの捜査技術の向上の影響が大きい」とみている。

写真・図版
殺人事件の捜査本部設置数と未解決事件

 事件全般をみると、24年に…

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